南天は、その名を「難を転じる」に掛けて、縁起の良い文様として愛されてきました。寒さの中でも葉は緑、実は赤々とつややかで、鮮やかな印象を与える植物です。ダイナミックな七宝と亀甲を配し、そこから覗く南天を大らかに表現した打掛は、織物と刺繍、金彩のハーモニーも見どころの一着。裏地の取り合わせなど、上品でどこか懐古調なムードを漂わせているのがIKKOさん流。