昭和初期の丸帯をモチーフに、花車に鶴が舞い飛ぶ意匠を、唐織綴という最高級西陣織により総絵羽で整織した、他に類を見ない逸品です。当時の織物を丹念に研究し、特徴であった日本画のぼかし表現が、唐織特有のボリュームと重なり、重厚な織物の中にも優しく華やかな印象を与えます。糸の色遣いにもこだわり、あえて白糸ではなく生成り色を用いる事で落ち着きのある印象に仕上げられています。綴織特有の金杢の地と相まって格調高くも華やぎのある花嫁姿を印象付けます。